お米作りを始めたきっかけ
私の米づくりのきっかけは、義父が亡くなった事により、遺された田を管理しなければならなくなった事です。
元々団地育ちで、結婚後、神辺の地に越してきましたが、義父が行っていた米作りに興味を感じる事はありませんでした。義父亡きあと、米作りを託され、大変なのはわかっていたので、最初は乗り気ではありませんでした。宅地用に売って欲しいという声もありましたが、造園業という職業柄、土に触れる事に抵抗はなかった為、とりあえず下御領の地で米作りの第一歩を踏み出しました。
馴れない米作り、指導者の義父不在の中、手探りで始めましたが、見かねたご近隣の方々が次々と声をかけて下さって、知恵を貸してくださり、何とか毎年無事に米の収穫を行う事ができるに至りました。地元神辺の気候、水、土、人とのかかわり、どれが欠けても私の米作りは成立しませんでした。
何年か指導を受けながら米作りを進めていく中、高齢化で、指導してくれていた方々も次々と稲作を引退、そしてその方にも田んぼを託され、耕作面積は少しずつ広がってゆきました。そのうち自分でも、ただつくるだけでなく、美味しく安全にを作りたいと欲が出てくる様になります。
土のつくりかた、気候、水、草の管理。人から教えていただいた事に加え、自分で考えて工夫する事も覚え始めました。一定ではない気候、手をかければかけただけの稲、米、味の変化。やりがいと喜びを感じる瞬間が訪れました。
その時から米作りが、田んぼを荒らさず管理するから美味しいお米を生産するという目的に変わりました。
米づくりの目的が積極的なものになって以来、本業の造園業で、飲食業を行う方々からお米の注文をいただくようになりました。自宅用、注文用 の2本柱でお米を作っておりましたが、少しずつ、口コミでお米をご注文いただく事も増え始めたことをきっかけに、一般の方にもわかりやすいパッケージ、食べやすい数量での販売、そして、実際に米をつくっている私自身の顔をロゴにして、皆様にご安心いただける米を提供したいと、今年から 長田米農園 という屋号をつけました。
決して有名な米処ではありませんが、地元神辺の土地、水、空気、土の力を皆様に味わっていただければと思っております。